医療法人 和の会 与那原中央病院

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外科

下肢静脈

下肢静脈瘤とは足の静脈がふくれてこぶの様になる病気です。良性の病気ですので、治療をしなくてもはじめのうちはそれ程健康を損なうことはありません。しかし、自然に治ることはないので、足にこぶの様な血管が目立つ見た目の問題、重怠さやむくみなどの症状が日常的に起こり、患者を苦しめることもあります。重症になると、湿疹や潰瘍を生じ、出血することもあります。また、血栓性静脈炎から蜂窩織炎に発展することもあり、その際は入院治療が必要になることもあります。時に一見すると静脈瘤がはっきりしなくても静脈瘤の際に生じる各種症状がみられることもあります。

下肢静脈瘤の症状

下肢の血管(静脈)が目立つ。こぶのようになる。

ふくらはぎが重怠い、疲れやすい、安静時に痛む

下肢がむくむ

就寝時、特に明け方両下腿がつる。(こむら返り)

ふくらはぎに湿疹ができる

くるぶしの上が変色(色素沈着)する

くるぶしの上に潰瘍ができる。

ふくらんでいる血管が硬くなり炎症を起こす

 

※但し、これらの症状が全て静脈瘤によって起こるとは限らず、全身性の疾患(心・腎・肝)や閉そく性動脈硬化症、脊柱管狭窄症などの整形外科的疾患から起こっていることもあり注意が必要です。

下肢静脈瘤関連疾患の治療

  1. 保存的治療:生活習慣の改善、弾性ストッキングの装着
  2. 内服治療:(スライド)
  3. 硬化療法:静脈内注入、外来にて施行⇒(当院では実施していません)
  4. 高位結紮術、ストリッピング手術
  5. 交通(穿通)枝の筋膜下結紮術
  6. レーザー治療、ラジオ波治療⇒(当院では実施していません)

当院における下肢静脈瘤治療におけるねらい

  1. まず医学的問題の解決を図る(潰瘍、血栓、静脈炎)
  2. 自覚症状を早めに軽快させること(痛み、こむら返り)
  3. 可能な限り外観上の問題も解決する

下肢静脈瘤による皮膚症状


静脈瘤による皮膚炎


うっ滞性潰瘍

最も重症な下肢静脈瘤。潰瘍は主に足関節の近位側にできる。痛みを伴い、出血することもある。

脂肪硬化タイプ

正式には脂肪皮膚硬化症という。皮下脂肪が炎症によって硬化したもので、放置しておくと潰瘍を生じることがある。

 

 

湿疹タイプ

静脈瘤が悪化すると皮膚炎が生じる。これは湿疹タイプで、皮膚表面がザラザラになり、掻痒感を伴う。


内服治療

A.漢方薬

倦怠感·しびれ:桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

むくみ:   五苓散(ごれいさん)

こむら返り: 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

炎症:    柴苓湯(さいれいとう)

 

※漢方の効果が現れるまで、早くても、2~3ヶ月が必要。体のほかの面でも症状がでているはずなので、半年、1年と服用して、体質を整えることが大切。吐気、下痢、高血圧、脱力症状など副作用についても注意が必要。

 

B.抗凝固/抗血栓療法

深部静脈血栓症や血栓性静脈炎の既往のある患者

凝固系検査で異常値を示す患者など

 

 

桂枝茯苓丸

桂枝(シナモンの部位違い)

桃仁(モモの種子)

牡丹皮(ボタンの根皮)

芍薬(シャクヤクの根)

 

茯苓(サルノコシカケ科のマツホドの菌核)。


重症手術例

40代女性、20数年以上の経過した静脈瘤

分娩歴は3回、その他既往歴は無し。

これまで他2病院受診するも特に治療は無いと言われていた。

今回2014年12月当院外科初診となった。

主訴:特に左下肢の重怠さ、痒み、しびれ、夜間こむら返り、色素沈着を伴う静脈瘤

術前の下肢所見


下肢静脈造影CT


術後8日目


一次性下肢 静脈瘤の形態分類:伊藤孝明: うっ滞性潰瘍·下肢静脈瘤、皮膚外科学540-549 2010,秀潤社より

当院における漢方薬治療の成績

対象症例:現在当院通院中の患者で2016年9月26日~現在までの通院患者41名で漢方薬(桂枝茯苓丸)の処方を継続中の患者

性別

 男性13名

 女性28名

 

平均年齢 65.2±13.5歳

平均BMI 25.3±5.5

平均治療期間  20.7±13.6月

静脈瘤

 伏在型21名

 軽症型26名

 なし  3名

 不全交通枝有り9名

 DVT既往有り2名

 静脈瘤手術歴2名(23年前、3年前)

方法:本人への直接聞き取り(治療開始時の症状を10として現在の症状を数字で表現)

当院における漢方薬治療の成績

自覚症状について(41症例中)



各改善度の主観的スコア

<その他の自覚症状>

張り 2名中

    改善2名(10→7.5)

    

痺れ 1名中

    改善1名(10→5)

    

熱感 1名中

 

    改善1名(10→0)


当院における漢方薬治療の成績(理学所見)

41例中、理学所見について( ※参考:聞き取り調査で患者から訴えてくる所見のみ)

 

各改善度の主観的スコア(理学所見)

<その他の理学所見>

湿疹/滲出液 4名中

    改善4名(10→1.25)

 

硬結 2名中

    改善2名(10→0)

    

潰瘍 3名中

    改善3名(10→0)


静脈うっ滞性潰瘍(手術例)

71歳女性

20XX年4月6日初診時

20XX年5月11日潰瘍出現にて漢方薬開始



左下腿静脈うっ滞性潰瘍(手術例)

20XX年6月16日

20XX年7月14日→同年8月4日手術施行

(漢方薬服用約2カ月)



静脈うっ滞性潰瘍(手術例)

80代男性、胆摘術前説明で来院

20XX年7月27日初診時

7月31日胆摘


下肢静脈うっ滞性潰瘍(手術例)

20XX年8月31日

(漢方薬治療開始後約35日)

同年10月29日ストリッピング施


高度肥満による静脈うっ滞性潰瘍

20XX年7月31日初診

70代女性、BMI45.3、体重94.5Kg

静脈瘤、不全交通枝なし。

入院治療を要した。

減量、抗生剤治療を行った。


高度肥満による静脈うっ滞症候群

入院中95kg→89kgの減量

20XX年9月の時点で94kgであるが

漢方薬は継続中で2年間再燃なし

 

 

 

 

 


静脈うっ滞性潰瘍(保存的治療例)

20XX年8月26日

50代 男性

自覚症状ない為、

本人の希望で保存的に加療中

20XX年10月14日


当院における下肢静脈疾患の診断・治療の流れ

下肢静脈瘤外来スケジュール

 
午前 8:30~12:00  ◎        ◎ 
午後 13:30~17:00

15:00~17:00

 

15:00~17:00

   

※初診の方は検査と結果説明を含め約2時間程度かかることがあります。

手掌多汗症

 当院では1996年より手掌多汗症の手術治療として胸腔鏡下交感神経遮断術を行っています。手術治療は最終手段で最も効果がありますが、やはり術後必発する代償性発汗が大きな問題となっています。そこで当院では図1に示した日本皮膚科学会より示された手順4を参考に各種保存的加療を行い、それでも困難な場合は手術を行うという流れで進めています。2018年9月よりイオントフォレーシスを導入し、治療の選択の幅を充実させています。時にすぐに手術をして欲しいと受診される方もおられますが、当院倫理規定に従って保存的治療で効果が無い、または満足できない方のみ手術を行っていますのでご了解下さい。

 

現在、当院にて行っている治療方法

 

① 内服薬

  • 抗コリン薬:プロバンサイン(副作用とし眠気・口渇、閉塞性緑内障の方には禁忌)
  • 漢方薬:現在使用されているものは計5種類ほどありますが、いずれも体質、体型などに合わせて選んでいます。

 

② 外用剤塗布(単純塗布、密封療法)・・・院内にて調剤しており、院内処方のみで対応しています。

  • 制汗ローション(塩化アルミニウム液):20%溶液と50%溶液の2種類がありますが、水道水で薄めることが可能なので50%溶液の処方が殆どです。
  • 制汗クリーム(塩化アルミニウムクリーム50%):使用方法がやや難しいので主に治療経験者が使用しています。

 

③ イオントフォレーシス(電気治療)2018年9月~導入

まずは当院にて週1~3回程度の治療を実施し、効果を観ていきます。10数回実施して効果が見られない場合は、手術も検討します。また、効果がある場合はこのまま通院してもらうか、機器の個人購入(約3万円~:2020年4月現在)も検討してもらっています。

 

④ 手術:胸腔鏡下胸部交感神経焼灼切断術

2020年3月までに421件の手術を行っています。当院での手術適応は上記①~③を全て行い、いずれも治療効果が不十分で満足されない場合で、高校卒業見込み以上の方。また、非喫煙者、60歳以下、BMI25以下、心臓・肺の手術や肺炎の既往の無い方が望まれます。幼少時には多汗症を認めず、肥満や甲状腺機能亢進症などに伴って生じた全身多汗症も適応から除かれます。

 

手術は全身麻酔下で行い、傷は5㎜の創が片側で2箇所、両側で4箇所となります。手術時間は麻酔時間も含めて40~60分程度で1泊2日の入院で済みます。この2年程の手術は代償性発汗を軽減させる様、手術方法を工夫しています。手術直後から効果発現が得られ、手のひら・腋(わき)の発汗量はぐっと減るか、あるいは全く汗をかかなくなります。また、随伴効果として30%前後に足の裏の発汗量が減ることもあります。また、片側(利き手側)の手術後の効果や副作用を確認してから対側の施行を行うことも可能です。

 

※この手術の最大の問題は手汗が減った分、背中・腰・大腿部の汗が増えるという『代償性発汗』がほとんどの人にみられることです(約8割)。この発汗量の程度・心理的影響も個人差が大きく、殆ど気にならない人から新たな悩みとなる人まで様々です。また、術前に予測することもできませんので、術前に予め保存的治療を行ない、どうしても手術が必要なのかを慎重に検討することを強くお勧めします。術後の満足度については術前発汗が少ない人ほど、低い傾向にありますので、症状の軽い人は注意が必要かと思われます。

 

※但し、当院では多汗症に対する心理療法やボトックス注(保険適応外)は行っておりません。

 


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